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【ノベル黒い砂漠#5】 2人の錬金術師(5)

まじまじと見つめられた当の寄生蜂は、体躯をカサカサと震わせ精一杯の威嚇をするが、ナルは意に介さない。 かまわず羽にふれようとした瞬間、寄生蜂が体を素早く反転させた。ちらり、腹部の尖端から毒液のしたたる針先がみえたかと思うと―― ひゅん! ナルの顔めがけて飛び出した。
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【ノベル黒い砂漠#4】 2人の錬金術師(4)

礼をいったナルが、感情をつつみかくさずエイリーンに抱きつく。すっかり懐いたようだ。 エイリーンも初めてできた妹分といってよい存在を、やさしい眼差しでみつめている。そしてなぜだか、恥ずかしそうなそぶりをしばらくみせたあと、ようやく踏ん切りがついたという表情をしていった。 「ナルちゃんに、お願いがあるんだけどな」
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【ノベル黒い砂漠#3】 2人の錬金術師(3)

毒々しい色の液体を、もう一方の手にもった三角フラスコに落とすと―― ボン! 物騒な音をたてて小さな爆炎があがる。 「あ~あ、紅をつくろうとすると、いつもこうね」 誰かが近づく気配に――あわてて失敗作をうしろ手に隠し、初めてみる顔にあいさつした。 「こんにちは! エイリーンよ。かわいらしい冒険者さん、何かご入用かしら?」
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【ノベル黒い砂漠#2】 2人の錬金術師(2)

――妻との死別を期に、地方の中心都市とはいえ――鄙びた田舎町ベリアへと移り住んだ理由を知る者はいない。村の真北、崖の上にそびえるクロン城跡と無関係ではないようだが。 手にした杖が小刻みに震えている。 アルスティンが講話を中断した理由は、自身の杖――黒いオーラの共鳴機構を組み込んだ杖の異状を悟ったためだった。
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【ノベル黒い砂漠#1】 2人の錬金術師(1)

◎ 【ノベル黒い砂漠#1】 古代文明の動力源として、古代技術の発展に大きな影響を与えた「黒い石」 その一方で古代人の精神を蝕み、古代文明を滅亡させたとも伝わる「黒い石」 バレンシア王国の西に広がる、無尽蔵に黒い石を湛えた大砂漠を―― 人びとは「黒い砂漠」とよん...
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